
お知らせ
高血圧の種類について

こんにちは、脳梗塞リハビリステーションPROGRESSの寺西です。
これから少しずつ暖かくなってくるので、寒いから朝寒くて起きられないという方やちょっと着込んで夜寝ているという方も、少しずつ過ごしやすくなる季節になってきますね。
しかし、実は朝と夜、特に起床後と就寝中前後は、脳卒中ほか心血管疾患の発症の原因と言っても過言ではない「高血圧状態」が異常に高くなる場合があることをご存じですか?
今回は、普段から血圧を測り健康に気を遣っているという方たちこそ読んでもらいたい、早朝と夜間の高血圧の上昇についてお話をさせていただきたいと思います。
■「早朝・夜間高血圧」とは?
夜間(就寝時)に血圧が下がらない、もしくは早朝(起床前後)に急激に血圧が上がってしまう血圧異常のことを指します。
ここで、それぞれの血圧異常について簡単に説明いたします。


尚、早朝高血圧とされる血圧数値の範囲は、基本起床後1時間以内に計測された血圧数値の場合で考えられているので注意しましょう。
これらのように早朝・夜間は血圧が上昇しているのに、病院での検査時は服薬の効果もあり血圧に異常がみられない場合は【仮面高血圧】と呼ばれ、普段、特に日中などに血圧検査を定期的にしている方などは油断しがちなため、注意が必要です。不安のある方はもちろん、いつも病院でしっかり検査しているから大丈夫という方も、まずこういった可能性を考え早朝・就寝前の血圧を測ってみることをお勧めいたします。
■参考
健康づくり かわら版 様「特に危険!早朝の高血圧とは?」より
https://www.jpm1960.org/kawara/kawaraban/post-19-1.html
ZERO EVENTS 様「夜間高血圧とは」より
https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/bloodpressurelab_basic/contents1/146.html
■一つではない、夜間高血圧の種類
上記で紹介した2種類の高血圧ですが、実は夜間高血圧には大きく分けて4種類のタイプがあるとされています。
中には早朝高血圧と症状の時間帯が被るものも存在。
ここで夜間高血圧タイプごとの特徴と詳細を確認してみましょう。
●夜間高血圧のタイプ
【Dipper型】(ディッパー)
日中にくらべて夜間時の血圧が約10~20%の範囲で低下が見られる正常なタイプです。
【Extrem-dipper型】(エクストリーム-ディッパー)
日中より夜間時の血圧が平均20%以上低くなる、血圧の過剰低下を示すタイプです。脳血流も低下していることが確認され、認知機能障害がみられることもあります。
【Non-dipper型】(ノン-ディッパー)
日中・夜間の血圧差があまりなく、血圧下降度が0~10%以下と少ないタイプです。24時間あたりの血圧平均値が高くなり、臓器障害の合併頻度が前2タイプに比べ高くなります。
【Riser型】(ライザー)
日中よりも夜間の血圧が上昇するタイプです。【dipper】【non-dipper】に比べ、脳心血管における疾患死亡リスクが高いとされているタイプです。このタイプでは脳心血管疾患リスクが相乗的な増加を見せるため注意が必要です。
●夜間高血圧タイプ別 脳卒中発症率の違い
上記の表のように、各タイプによって脳卒中発症率にかなりの差がみられることがわかります。
特に【Riser型】は他タイプに比べ脳卒中発症率が高いうえ、死亡率も一番高い数値を示すなどその危険性がうかがえます。
また【Extream-dipper型】は特に高齢者の高血圧患者において高血圧標的臓器系(脳・心臓・腎臓など)の症候性・無症候性の臓器障害や脳梗塞が進行している可能性があり、【Dipper型】【Non-dipper型】に比べ脳卒中発症率において高い数値を示しています。
この他にもまた細分化されているタイプがいくつかございます。
自分はどのタイプで、どのくらいの脳卒中発症率があるのか調べることをおすすめいたします。
■参考
ZERO EVENTS 様「夜間高血圧とは」より
https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/bloodpressurelab_basic/contents1/146.html
「血圧の日内変動」より
og-centralcl.com/BPhendou.html
榎木内科 循環器科医院 様 「血内の日内変動の異常」より
https://enoki-iin.com/contents/news/20210823_01.html
■早朝・夜間高血圧の原因
前項目で早朝・夜間の高血圧異常はどういった状態なのか、またどんなタイプがあるのかを説明いたしましたが、ここでは二つの高血圧状態に共通している、もしくはそれぞれの原因についてお伝えしたいと思います。
●【早朝】/【夜間】高血圧発生の共通した原因
【持病】
腎臓病や自律神経障害などが原因として挙げられますが、睡眠時無呼吸症候群、特に気道の閉塞を伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群が高血圧の原因として考えられています。
血圧上昇の流れとして、通常就寝時は副交感神経が優位になり人体の活動性(活発な血液循環や代謝の上昇など)を下げます。しかし無呼吸症候群の状態では呼吸と無呼吸を繰り返すため交感神経が活発になり続け、副交感神経へシフトできず、結果として夜間(就寝時)や早朝の高血圧に繋がってしまうのです。
●【早朝高血圧】において考えれられる一因
【寒冷】
急激な朝方の血圧上昇には気温の低下が要因として挙げられます。
人体は寒さを感じると血管が収縮し、血圧を上昇させる働きを持ちます。そのため血圧変動の激しい方が朝に低い気温に体をさらしてしまうと著しく血圧の上昇を引き起こすことになるのです。
特に起床後1時間内は一日のうちで一番血圧が上昇するため、特に寒い時期の起床時に関しては急な気温の変化などに身体をさらす行為は避けておきましょう。
尚、当サイトでは体温と脳卒中・その他諸症状の関係などについてブログを作成しております。ぜひそちらもご覧ください。
■体温と脳卒中・諸症状の関係
体温と脳卒中・諸症状の関係
●【夜間高血圧】において考えれられる一因
【抑うつ】
脳は過剰なストレスが加わると、そのストレスに対抗するために【交換神経】の働きを活発にさせます。
交感神経は主に運動時や恐怖・危機を感じた時に活発になり、心拍数の上昇・末端の血管を収縮させるなど血圧の上昇作用を引き起こします。
抑うつの場合、常に脳がストレスを感じる状態になるため、交感神経は常に活発化。身体の緊張が続くため【副交感神経】(身体の活動性を下げ回復・修復の働きを優先させる働きをもつ)を優位にさせるために必要な睡眠障害などが発生し、血圧上昇の働きが抑えられず高血圧状態が維持されてしまうのです。
以上、各高血圧の原因などについて確認してきましたが上記以外にも原因はいくつもあります。
重複するものもございますが、下記参考サイト様にさらに早朝・夜間高血圧の原因などについて記載されておりますので、是非ご確認ください。
■参考
健康づくり かわら版 様「特に危険!早朝の高血圧とは?」より
https://www.jpm1960.org/kawara/kawaraban/post-19-1.html
ZERO EVENTS 様「夜間高血圧とは」より
https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/bloodpressurelab_basic/contents1/146.html
一般社団法人日本うつ病センター 様「高血圧患者さんで~省略~高血圧とうつにはどんな関係があるの?」より
https://www.jcptd.jp/contents/contents/detail/75?categoryId=52
■24時間、血圧状態を知るためには?
上記で見てきたように、日中検査で血圧異常は見られなくても、早朝・夜間時に高血圧になってしまい、結果として脳卒中などの脳心血管疾患リスクは常に上昇している可能性があることがわかりました。
ですがここで、「就寝中や起床時、ましてや24時間の血圧測定はできない」「日中に比べ早朝・夜間高血圧かどうかは24時間調べないとわからない」とお考えの方も多いはず。
ですが実は、少し生活への負担が大きくなる部分があるかもしれませんが、就寝時も含め24時間血圧を測定する方法があるのです。
ここではそんな24時間の血圧変動を測定するための方法をご紹介いたします。
●ABPM(24時間自由行動下血圧測定器)
この方法では、一般的に調べることのできない環境における血圧の測定を行うことができるため、例えば職場でのストレス下にさらされた際に発生する昼間高血圧(ストレス下高血圧)の測定にも役立ちます。
診察時や家庭内で通常は図ることのできない範囲の血圧を測ることのできる機械のため、自身の血圧だとどのタイミングで脳卒中症状が発症するかのタイミングも調べることができます。
■参考
慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト 様 「ABPM」より
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000389.html
●24時間血圧を測れる様々な方法
最近24時間どこにいても、あらゆるタイミングで血圧を測定できるデバイスは上記で紹介でしている機械以外にもたくさん登場しています。
・手首式血圧測定器
前項目でお伝えしているABPMの機能を手首の測定のみで行える機械になります。
図でも説明している通り、腕部に装着すると安定した就寝の妨げになる可能性を改善したこの手首式血圧測定器では、就寝時でも安定した睡眠の邪魔をすることなく行えます。
もちろん日中も行動の妨げにはならないので、煩わしさを感じることなく日常生活を送りながら血圧を測定できるデバイスです。
■参考
OMRON 様 「自治医科大学とオムロン~省略~」より
healthcare.omron.co.jp/corp/news/2021/0517.html
・ウェアラブル端末
スポーツやダイエットなど運動をされる方がよく身に着けられるタイプになります。
機能としては歩行活動の測定、家事、デスクワークを含む様々な活動や、一日の総消費カロリーなどの測定など。
スマホで行うこともこのデバイス上で完了してしまうこともあるため、かなり便利で機能的なデバイスです。
しかしここで紹介しているようなウェアラブル端末には欠点もあります。それは医療用ではないため、血圧・心拍数などの測定において、その計測数値に絶対の信頼性がないことです。先に紹介しているような手首式血圧計と違い、これらウェアラブル端末はあくまでも「多機能デバイス」であり、医療目的で開発されてはいません。あくまでここで出される数値は一つの指標であり、医療や科学的な分野で活用できるものではない、という意識を忘れないようにしておきましょう。
■参考
gooランキング 様 「ウェアラブル血圧計の人気おすすめランキング10選」より
https://ranking.goo.ne.jp/select/14441
以下は、先で紹介している「OMRON」様にて開発されたウェアラブル血圧計の紹介ページになります。
医療機器認証を取得しており、機能としては服薬時間のリマインドや睡眠など健康管理に特化したデバイスとなっております。ご参考までにご覧ください。
OMRON 様 「オムロン ウェアラブル血圧計 HeartGuide」より
https://www.healthcare.omron.co.jp/product/hem/hcr-6900t-m.html
■血圧を測ることの重要性
ここまで見てきたように、血圧状態はあらゆる時間帯や状況によって変動しその全容を常に把握することは難しいです。しかし血圧状態の把握は脳卒中含めた脳心血管疾患症状など含め、あらゆる範囲の予防につながります。
病院や家庭内など、特定の場所・時間帯での検査だけではなく、どこにいても自分の身体状況を把握できるようなデバイスを着けたり病院でABPM用の機械を借りるなど、ご自身の生活スタイルに合わせた血圧測定方法を取り入れ、安定して脳心血管疾患予防に向けた生活を送れるよう心がけることが大切です。
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