お知らせ
脊髄小脳変性症について
主に小脳の変性によって引きこされる運動失調状態を呈する疾患。発症原因が、
・感染症
・中毒
・腫瘍
・栄養素の欠乏
・奇形
・血管障害
・自己免疫疾患
以上の要因に"因らない"疾患の総称。
尚、中枢神経系(大脳/小脳/脳幹など)から脊髄にも疾患範囲が及ぶため脊髄小脳変性症 (以下SCD)という呼称となっています。
■参考
難病情報センター 様 「脊髄小脳変性症(~)」より
脊髄小脳変性症について
東京逓信病院 様 「脊髄小脳変性症」より
https://www.hospital.japanpost.jp/tokyo/shinryo/shinnai/sca.html
原因遺伝子の異常が病因になるとわかっています。
しかし、いまだに原因遺伝子の働き・発病メカニズムなどは明らかになっていません。
●遺伝性/非遺伝性SCDの発症比率
SCDの発症比率(日本の場合)
・遺伝性:約1/3
・非遺伝(孤発)性:全体の約3/2以上
…SCDにおいては、遺伝性より非遺伝(孤発)性SCD発症者が多いです。
●SCDが遺伝性の場合について
遺伝性SCDには顕性(優性)遺伝 / 潜性(劣性)遺伝の2種類があります。
・顕性遺伝(優性遺伝)性
親から子へ遺伝する可能性のある遺伝性SCD
…親から子へ疾患が伝わる確率は半分となります。
例)子どもが二人いる場合
「二人に伝わる」
「どちらかに伝わる」
「二人とも伝わらない」
以上の可能性がそれぞれ存在します。
・潜性(劣性)遺伝性
兄弟姉妹間での発症が見られる、
非常に稀な遺伝性SCD
…親から子へ疾患が伝わる確率は非常に低いと考えられます。
*遺伝カウンセリング
専用機関で行っているところもあるため、気になった方は受診してみることをお勧めいたします。
(ほとんどの場合が自費診療となります)
■参考
難病情報センター 様 「脊髄小脳変性症(~)」より
脊髄小脳変性症について
東京逓信病院 様 「脊髄小脳変性症」より
https://www.hospital.japanpost.jp/tokyo/shinryo/shinnai/sca.html
●SCDが非遺伝性の場合について
非遺伝性SCDは遺伝性と違い、血縁の中でSCDが遺伝する確率が限りなく低いです。
また、その症状の大部分は多系統萎縮症と呼ばれる症状を発症します。
◇多系統萎縮症
非遺伝性SCDの様々な症状に対する総称。
非遺伝性SCD症状の約7割を指します。
(残り約3割は皮質性小脳萎縮症と呼ばれます)
…中高年以上の非遺伝性SCD発症者に見られることが多く、症状の進行と共に各病態がそれぞれの症状を合併するようになるため、まさに多系統の障害を発現することになります。
■参考
東京都立神経病院 様 「多系統萎縮症」より
多系統萎縮症について
東京逓信病院 様 「多系統萎縮症」より
https://www.hospital.japanpost.jp/tokyo/shinryo/shinnai/msa.html
富山大学付属病院 難病医療支援室 様 「パーキンソン病 どんな症状があるの?」より
大塚製薬 様 「パーキンソン病 どんな症状があるの?」より
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/parkinsons-disease/symptoms/
難病指定センター 様 「レスパイト対象となる難病一覧」より
脊髄小脳変性症による症状は突然悪化することはありません。
ただ、緩やかに運動障害などが進行することで歩行時ふら付き・転倒・骨折という傷害を負うことも考えられるため、比較的早い段階から運動障害等への対策として治療薬の服用やリハビリを行っておくことが大切です。
*「セレジスト」以外にも、脊髄小脳変性症によるパーキソニズム(パーキンソン病とは別の要因で生じるパーキンソン症状のこと)に対して初期段階に抗パーキンソン薬を服用することで一定の効果があると言われています。
●脊髄小脳変性症に対するリハビリを行う目的
「回復」ではなく現在残っている運動能力の「維持」とその期間をなるべく長く残すことを目的とします。運動失調への薬物療法は限界があり、リハビリをしないと比較的早く運動失調が進行する可能性があります。
また、脊髄小脳変性症の運動失調症状は個人ごとに差があるため、個々の問題に合わせたリハビリテーションプログラムを薬物療法と並行して、継続的に行っていくことが非常に重要となります。
■参考
田辺三菱製薬 SCD・MSAネット 様 「SCD・MSAリハビリのツボ」より
https://scd-msa.net/rehabilitation/objective/
健康長寿ネット 様 「SCD・MSAリハビリのツボ」より
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/sekizuishounouhenseishou/chiryo.html
KEGG MEDICS 様 「医療用医薬品:セレジスト」より
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00069026
■脊髄小脳変性に関してのまとめ
以上、簡単にはなりますが脊髄小脳変性症についてのお話を紹介させていただきました。
この症状は非遺伝・遺伝性の疾患で、事前にその発症を防ぐことができません。また、非遺伝性の脊髄小脳変性症である多系統萎縮症を発症した場合には、発症後平均約5年で車いすを使用・約8年で寝たきりの状態となり、それ以外の脊髄小脳変性症の場合についてはその進行度個人差はあれど長くとも約20年ほどで寝たきりの状態になってしまう場合が殆どだと言います。
その進行を少しでも抑え、自分らしく生活をしていくためには、適切なリハビリテーションの継続と薬物療法を並行して行っていくことが大切です。自分らしい生活を長く送っていけるよう、専門家や医師の意見などをしっかり聞き、努力を続けることが求められるのです。
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