
お知らせ
若年性脳卒中について

こんにちは、脳梗塞リハビリステーションPROGRESSの寺西です。
皆さんは普段、健康に気を遣って運動や食事管理などを行っていますか?
病気にかからないよう、安定して健康的な生活を送るためには普段から食べるものや運動する時間・運動量に気を遣う必要があります。
しかし、どんなに備えていても突然の病気は避けようがないことも…。
脳卒中もその一つで、中高年の方たちにとって非常に身近な疾患なのはご存じの方も多いと思いますが、実は若い人たちにもその発症リスクが常に付きまとっているのです。2013年には女性アナウンサーが34歳という若さで軽い脳梗塞を発症したことで話題にもなっていました。
今回は、若い年齢でも発症する可能性のある「若年性脳卒中」についてお話していきたいと思います。
■年代・年齢別での脳卒中発症率推移
まずは脳卒中・脳血管疾患は年代、年齢でどれほど発症率に差があるものなのか、またその推移をグラフで確認してみましょう。

ご覧のように、1996~2017年においての脳血管疾患患者数は全体的に減少傾向にあるようです。
これは早期診断と治療法が著しく進歩したこと、脳血管疾患発症の危険因子である高血圧の発症防止対策の効果が表れているからだという見方があるようです。
脳を含む血管系疾患発症の原因でもある高血圧は塩分の過剰摂取により起こるとされており、世界でも脳血管疾患発症数がトップだった東北地方では一日の食塩摂取量の目安約6、7gのところ一日に20gも摂取していたことなど明らかな関係性を示していました。
現在では減塩対策を推し進めてきた成果もあり、ここまでの疾患発症率の低下につながりました。
生きていくうえで欠かせない食事、ですがその食べ方や食材によって健康に対する影響が大きく変わります。ぜひ今一度ご自身の食生活を改めて確認してみましょう。
*尚、塩分を多く含んだ食材など、食事と脳卒中に関係したブログを作成しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。
■食事と脳卒中の関係
食事と脳卒中の関係
しかし、上記で確認できる本当の問題は、グラフ上若干ではあるものの若年での脳血管疾患発症者がいるということです。2017年のデータにはなるのですが、約0.1万人とはいえ30-34歳という若さで脳血管疾患を発症している方がいらっしゃいます。しかもグラフ上のみでみた場合になるのですが、30代だと発症の性差がないのも気になるポイントです。
これらは実は生活習慣病などが原因ではなく、その多くが生まれつきの要因によって発症しているのです。
次の項目では、若年での脳血管疾患の発症につながる要因についてみていきましょう。
■参考
MODERN MEDIA 様「日本人の死亡原因の順位の変化と減塩キャンペーン」より
https://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/miscellaneous/632/
厚生労働省 様 「図表1-2-4 脳血管疾患患者数の状況」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-04.html
■若年性脳血管疾患(脳卒中などの症状)発症の要因
上記項目でお伝えした通り、若年で脳血管疾患、脳卒中の発症は生来持っている要因で引き起こされる可能性が高いです。
ではここで、若年性の脳血管疾患が起こる要因とその疾患を一部ご紹介いたします。

他にも、スポーツやカイロプラクティックなどで首の回転により起こる「脳動脈解離」、頭蓋内出血や出血性脳血管障害の代表的疾患として「脳動静脈奇形」などがあります。
ここで紹介している症状はいずれも血栓症ができやすくなるもので、特に脳梗塞の発症に大きく関わってきます。
このように、若年性の脳卒中症状の発症には生活習慣より、心臓に生まれつき穴があったり、事故・激しい運動・長時間同じ姿勢でいるなどの外的要因等が脳卒中の症状に起因していると考えられます。
尚、親族間で脳血管疾患、特にくも膜下出血を発症している方がいる場合は自身の発症リスクも高くなっている可能性があるため、若いうちから注意しておくことが重要です。
■参考
yomiDr. 様 「若い人にも~省略~血管に要因」より
若い人にも 脳出血や脳梗塞…生まれつき 血管に要因
阪大・脳循環グループ 様「若年者の脳卒中」より
http://www.osaka-njm.net/info/juvenile
■若年性脳卒中(脳血管疾患)の予防と対策
上記項目で、若年時における脳血管疾患などの発症理由は生まれつきのものであったり激しい運動が原因だったりで、予防・対策が難しいものばかりだと感じた方も多いのではないかと思います。
ですが若年における脳血管疾患は、中高年と同じく適度な運動・食生活での予防対策が有効とされているのです。
ここで、若年性脳血管疾患、特に脳梗塞の発症に必ずと言っていいほど関わってくる「血栓」について焦点を絞り、その予防対策についてお話していきたいと思います。
●運動
運動は体全体の血流をよくし血栓を作らないためには必要不可欠です。特に下半身の筋肉の衰えは末端の血液を心臓へ送る働きが弱まるため、静脈に血栓ができやすくなる原因にも。更に下半身の筋肉は人間の体の中で一番大きい大腿四頭筋があるため、ここを鍛えることは基礎代謝の上昇にも影響。脳血管疾患の予防だけでなくあらゆる病気の予防にもつながるのです。
基礎代謝や下半身の筋肉のトレーニングについては下記ブログでも作成しております、ぜひご覧下さい。
■体温と脳卒中・諸症状の関係
体温と脳卒中・諸症状の関係
ここで、過去のブログで紹介しているもの以外に、下半身を鍛えるために有効なトレーニングを2つほどご紹介したいと思います。
【カーフレイズ】(1セット30回目安 3~5セット)

カーフレイズは段差を利用したトレーニングなので、バランス感覚や筋力に自信のない方は壁や椅子に手をついて行うといいでしょう。
【グルーツブリッジ】(約30~40回)

最初のうちはお尻を上げる位置を低くしても大丈夫です。注意する点としては、反動を使って体を起こすことで腰痛に繋がる恐れがあるため、常にゆっくりとした腰の上げ下げを意識しておきましょう。
30~40回が目安ではありますが、初めのうちは自分のできる範囲での運動で構いません。
大事なのは確実に効果を出せるよう目的やフォームをしっかり理解することです。
自分のペースを大事に、毎日続けられるようにしましょう。
■参考
KONAMI SPORTS CLUB 様 「筋トレで~省略~トレーニング方法」より
https://www.konami.com/sportsclub/magazine/lower-body-training/
BOSTY-LAB(ボスティラボ) 様 「『グルートブリッジ』の正しいやり方とその効果、注意点」より
下半身は大きな筋肉で構成されているので、血流の流れに大きく作用する部分です。
逆にいえば下半身の筋肉などが衰えれば体全体の血流バランスが悪くなるので、血栓などの形成に大きく寄与してしまいます。
まずは定期的に運動ができるペースを見つけ、安定して筋力増加・維持できるよう目指しましょう。
■脳卒中を起こす“静かな原因”と“頻尿”の関係
ここまで見てきたように、若年性の脳卒中も通常の対策と同じように運動や食事の方法でしっかりとした予防につながります。
●気づかないうちに塩分過多で高血圧に?【塩分を多く含む食べ物・調味料】
食事と脳卒中の関係は先に貼ってあるブログでもご紹介していますが、ここでは意外に塩分を多く含んでいる食材についてご紹介いたします。
上記を見ると、普段何気なく食べているものでそこまで、もしくは全く塩分が入っていないと思っていた食材でも、たった一食で多量の塩分を摂取することになってしまうものが多い印象です。ご存じの通り過剰な塩分摂取は高血圧、ひいては脳卒中の原因に繋がります。【日本高血圧学会】では、男性は1日8g未満、女性は7g未満、高血圧などの方は6g未満に塩分を抑えるよう勧めています。
普段の運動などに加えて、安定して塩分を抑えられるよう気を付けて高血圧リスクを抑えていきたいですね。
●脳卒中のサイン?頻尿からわかる「高血圧状態」
実は頻尿は脳卒中症状に関係している可能性がある、ということはご存じでしょうか。
頻尿には、上記でお伝えしたような塩分の過剰摂取で起こるもの、もしくは腫瘍によって発生する血流異常によって引き起こされるものがあり、特に後者では発作的に高血圧の状態になったりあらゆる疾患の発症につながる原因にもなるのです。
ここでは高血圧と頻尿などの関係性を二つの原因から見ていきます。
【塩分の摂り過ぎによる頻尿】

人体は体内の水分量を一定に保つため、多くの時間と血液の圧力(血圧)を使って水分をろ過します。
しかし塩分(ナトリウム)は水分を体に保持しようとする働きがあり、また過剰摂取により腎臓に送られる血流を阻害、ろ過機能が不安定に。しかし体は常に水分量調節を行おうとするため長時間血圧を上昇させ続け高血圧状態に、結果心臓へ大きな負担が生じます。塩分の多量な摂取をやめずにいるとろ過機能の状態も回復しないので、高血圧や頻尿も続くことに。
もしも上の図のように無性にのどが渇く(水分を欲する)、むくむなどの心当たりのある方は普段摂取している塩分量に気を付けてみてもいいかもしれません。
【「褐色細胞腫」によるホルモン異常と頻尿】

「褐色細胞腫」は発生理由が不明(家族性遺伝が主な発生原因と考えられている)な、副腎髄質もしくはその周辺の神経節に発生する腫瘍で、発作性高血圧や急激な血圧変動の原因になります。
褐色細胞腫で夜間頻尿になる流れとしては、カテコラミン(カテコールアミン)と言われる血流調整を行うホルモンが異常分泌され腎臓への血流の流れが阻害されます。日中、ろ過機能の働きが弱まることで細胞外水分量が増加、むくみなどの発生にもつながります。
日中排泄がうまくされなかった方が夜寝る際に体を倒すと、下半身に溜まっていた水分が循環し始めるので就寝中に尿が多量に生成され、夜間頻尿につながります。
褐色細胞腫は高血圧の状態が続くため長期的にみると心不全や脳血管障害を引き起こす原因にも。また併発する可能性のある脂質異常症(高脂血症)は動脈硬化を促進させるため、褐色細胞腫の症状である高血圧と併せて脳梗塞の発症リスク上昇にも関わってきます。ほかにも悪性腫瘍は骨、肝、肺などに転移する可能性もあるため定期的な、もしくは症状の自覚があってからすぐの検査が必要です。
以上、頻尿の観点から高血圧や脳卒中との関係性をお伝えしました。
「最近頻尿気味かもしれない」「夜頻繁にトイレに行きたくなって眠れない」と感じる方は、塩分の過剰摂取や褐色細胞腫などによる高血圧をはじめとした体機能異常を考えてみてもいいかもしれません。「もしかしたら?」を感じたら、すぐに検査をしてみましょう。
■参考
放射線医学県民健康管理センター 県民健康調査 様 「塩分と水分(略」より
https://fukushima-mimamori.jp/physical-examination/column/04.html
国立がん研究センター 希少がんセンター 様「褐色細胞腫」より
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/ksaibou/index.html
MSDマニュアル プロフェッショナル版 様 「褐色細胞腫」より
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェショナル
■若年性脳卒中にならないために
ここまで見てきたように、若年性脳卒中は知らないうちに塩分などをとってしまう食生活、生まれつきの疾患や遺伝的な要因など、中高年以上と違い突然脳卒中を発症する可能性が高いです。
しかし逆に言えば、普段の生活から運動や食事に気をつけることはもちろん、何か不調を感じたりした場合もすぐに検査をするなど「もしかして」に対する姿勢をしっかり持っていれば、早期の対処が可能なのです。
自分ができる予防対策を、今からコツコツと始めていきましょう。
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