動静脈奇形・動静脈瘻について | 尼崎市で脳梗塞・脳出血の後遺症改善を目指す脳梗塞リハビリステーションPROGRESS

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お知らせ

動静脈奇形・動静脈瘻について

2023/03/16

お知らせ

脳卒中の原因と言えばと聞かれればおそらくほとんどの方が生活習慣病などを答えるかと思います。

しかし中には先天的もしくは後天的な血管異常により、若いうちから脳卒中症状他、あらゆる症状を引き起こす方もいらっしゃるのです。

 

*脳卒中症状とその原因につきましては当サイトにてブログを書いておりますのでそちらもご覧ください。

・脳卒中という症状はどんな病気か調べてみよう

脳卒中という症状はどんな病気か調べてみよう

 

 

 

●動静脈奇形・瘻(ろう)について

動脈と静脈の間に異常な血管の繋がり(ナイダス)が発生し短絡(シャント)を発生させてしまう症状

短絡(シャント)の発生…ここでいうシャントは、本来毛細血管を通る動脈血がそのまま静脈へ流れてしまう現象をさします。

これは、胎生早期に血管が作られる際にナイダスという血管異常が起こるためです。

 

 

●動静脈奇形とは

動静脈奇形の特徴

 

…通常、動静脈間では動脈から静脈へ流れる間に毛細血管を通る際、

・「血液の中に含まれる酸素や栄養を受け渡す」

・「老廃物を受け取る」

・「動脈の強い血流を穏やかにして静脈へ流す」

などの行程があります。

 

動静脈奇形が発生した場合、通常の血管より脆いナイダスの血管壁に動脈の強い血流が流れ、血管を破いて出血してしまう可能性が高いです。

動静脈奇形は全身に発生する可能性があり、頚部顔面・四肢にできる「巨大動静脈奇形」は心不全や機能障害への影響もでるため注意が必要です。

 

巨大動静脈奇形についての詳細はこちら

■参考

難病情報センター 様「巨大動静脈奇形」

https://www.nanbyou.or.jp/entry/4630

 

 

 

●【動静脈瘻】とは

動静脈瘻の特徴

 

…基本的に動静脈瘻は外傷などの要因によって起こる後天疾患でナイダスを形成しません

また、この疾患の発生要因として考えられるものについては「深い切り傷」「銃創」などが挙げられることもありますが、断定的な発生理由は明らかにはなっていないため、定期的な検査を行うことが重要になってきます。

 

 

■参考

医療法人社団曙会 流山中央病院 脳神経外科 様「動静脈奇形~略~」より

https://www.nch-neurosurgery.jp/disease/disease-1/disease-1-2/

 

MSD マニュアル 家庭版 様「動静脈瘻」より

動静脈瘻について

 

 

簡単にまとめると、

===

〇動静脈 奇形 先天性ナイダスがある

〇動静脈 瘻 後天性・ナイダスがない

===

以上のような特徴に分類できます。

 

 

 

 

 

●脳動静脈奇形とは

先天的な動静脈奇形が、脳の動静脈間に発生してしまう病気です。動静脈奇形の中で最も有名な症状

通常の血管に比べて薄く破れやすい動静脈奇形の血管壁(ナイダス)は、脳卒中症状(脳出血など)の発症率が高く一因となります。

ここで、脳動静脈奇形の症状について簡単に確認してみましょう。

 

●脳動静脈奇形で起こる症状

脳動静脈奇形の症状

 

脳動静脈奇形が要因と判断された際の症状として、

・脳出血:約50~60%

・けいれん発作:約30~40%

となっており、他にも突発的な嘔吐や片麻痺症状などが発生することもあります

 

身体の一部分で発生していた痙攣などが全身に広がっていくタイプが最も多いとされていますが、

・突然倒れて身体が硬直する

・全身が震える

など、症状・頻度は一定でありません。

 

*頭部の異音

心臓の拍動に合わせて「ザッザッ」という雑音のようなものが聞こえると訴える方が一定数いらっしゃいます。

これは、比較的大きな脳動静脈奇形もしくは硬膜脳動静脈瘻(後述)が発生している場合において症状が現れる可能性があるとのことです。

 

 

 

●脳動静脈奇形の発症年代

脳動静脈奇形がきっかけで起こる脳卒中(脳出血・くも膜下出血)含めた症状は20~40代の若年層の発症率が高いです

また、脳動静脈奇形が発生している血管は、血管自体の異常があるにも関わらずただ存在しているだけでは無症状なため、何か症状が出ない限りこの血管異常に気づくことはありません

高齢の方たちと違って、若年代の脳卒中症状の発症を確認した場合はまず脳動静脈奇形の存在を疑います。

 

…若年層の脳卒中における内容を以下のブログでご紹介しております。ぜひ一度ご覧ください。

■若年性脳卒中について

https://noureha-ama.com/young_stroke/

 

 

●脳動静脈奇形に気付くタイミング

各症状が発生してから気づく(検査をする)場合が多いです。

例えば、

・脳細胞が正常に機能しないために起こる「てんかん症状」

・高い圧力の動脈血が静脈へ流れ血管が破裂する脳出血などの「脳卒中症状」等

これらが起こって初めてその症状の存在に気付くことが多く、症状発症の時点では急を要する場合が多く迅速な対応を求められる場合が多いでしょう。

 

 

・脳動静脈奇形の症状発症形式割合

脳動静脈奇形の発症形式

 

・無症候状態について

図にあるように脳卒中症状に次いで脳動静脈奇形で多い症状として無症候が挙げられます。

脳動静脈奇形の存在は症状がない限り気づくことはまずなく、また一部を除き遺伝することがないため、

親族に脳動静脈奇形を持っていたからという理由で検査をしたとしても自分の血管には異常が発見できない場合もあるし、逆にいなかったとしても自分だけ動脈奇形を起こす確率はあります。

 

人間ドックなどの検査で偶然発見されることもある脳動静脈奇形ですが、本人・周囲が些細な異常を感じ取る可能性というのは依然として低く症状発症のみが気付くサインとなるため、普段からご自身での定期的な検査を行っていくことが早期発見や治療に繋がります。

 

 

 

●脳動静脈奇形の治療について

脳動静脈奇形治療においては以下方針を決定するところから始まります。

①大きさ

②周囲脳の機能的重要性

③導出静脈の流れ方

※導出静脈…頭蓋腔内の静脈は太い血管に繋がる他、頭蓋骨を貫いて頭部の皮静脈と結合していることを指します。

以上を考慮したうえで治療の方針を決定していきます。

 

・診断方法

【頭部単純CTスキャン】:石灰化が起きている部分の確認

【MRI】:流出静脈や異常血管の塊を無信号域として確認。

【カテーテル検査(脳血管撮影)】:流入動脈/静脈、ナイダスの流れを確認。

 

・治療方法

【開頭手術】

…ナイダスを直接摘出する方法。

出血のおそれがあるナイダスを摘出するため、出血予防効果が即時的に見込める利点があります

ただ、切開によって頭皮~脳までの部位をそれぞれ、もしくはすべて露出させ手術を行うため、体に負担がかかりリスクが高いです。

 

【血管内手術】

…ナイダス内部を段階的に液体状の塞栓物質で固めていく血管内治療。

小型の血管奇形においては完全な治療も可能ですが、ある程度の大きさになる場合には血管内治療のみでは完全な治療とはならないため開頭手術等を組み合わせて治療を行う場合があります

 

【定位放射線治療(*ガンマナイフ)】

…一切人体に切開を与えない最も身体負担の小さい治療です。

外科的治療による危険が高い時(合併症の有無・流入血管の状況など)に勧められます。

ある程度の大きさになっている場合には放射線のみで確実な治療には至らない可能性もあるため、上記二つの手術と組み合わせて治療を行うこともあります。

 

また、放射線照射から完全閉塞までは数年程度の時間がかかります

※ガンマナイフ:放射線の一種であるガンマ線を約200個の細い照射口から正確に一点へ集中するよう作られた治療機器。

脳腫瘍などの脳疾患系治療に使用されることが多いです。

 

 

■参考

医療法人社団 光川会 福岡脳神経外科病院 様「脳動静脈奇形」

http://www.fukuokanh.jp/brain/detail/masterid/11

 

京都大学医学部付属病院 脳神経外科 様「脳動静脈奇形(AVM)」

https://neurosur.kuhp.kyoto-u.ac.jp/patient/disease/dis04/

 

医療法人社団曙会 流山中央病院 脳神経外科 様「脳動静脈奇形」より

https://www.nch-neurosurgery.jp/disease/disease-1/disease-1-2/disease-1-2-2/

 

 

 

 

 

 

●そもそも「硬膜」とは?

…脳脊髄を包んでいる線維性の厚く硬い膜(くも膜・軟膜を合わせて「髄膜」と言います)。

脳を外傷や感染症から守る役割があります。

 

●硬膜動静脈瘻とは

脳・脊髄から心臓へ血液を返す静脈に、本来繋がることのない硬膜動脈(硬膜へ栄養などを届ける動脈)が何らかの原因で直接つながり、硬膜動脈の血液が脳・脊髄等の静脈へ通ってしまう短絡(シャント)ができてしまう病気

発症要因など不明ですが、硬膜内部にある静脈洞(脳に動脈で血液を送った後に血液が心臓へ戻る際、最後に通る場所)が外傷や炎症を起こすことで閉塞。

静脈の流れが阻害されることで発症すると考えられているものがあります。

 

 

 

●硬膜動静脈瘻が起こす症状

硬膜動静脈瘻の症状

 

…硬膜動静脈瘻は発症箇所によって症状が分かれます

 

 

●動静脈瘻発生箇所と症状について

【海綿静脈洞】脳の深部、脳下垂体の左右にある深部静脈血の集合箇所

【症状】:脳・眼の静脈が流れる部位。静脈洞内の圧力が上がると目の静脈のうっ血が進み、血流が逆流を起こした場合眼の充血・腫脹・複視・眼球が飛び出たようになる眼球突出を引き起こすことがあります。

視覚的な障害が多く、眼科を受診される方も多いです。

 

【横静脈洞】耳の後ろあたり、後頭部を横にまっすぐ走る非常に太い静脈

【症状】:特に心拍に合わせるように鳴る耳鳴り・雑音などの聴覚的障害が多いです。

そのため耳鼻科を受診する方もいらっしゃいます。また、認知機能障害を発症する方もいます。

 

【脊髄】硬膜、くも膜、軟膜に包まれている。

【症状】:「脊髄硬膜動静脈瘻」と言われる動静脈瘻が脊髄硬膜に発生し、

・箸を使う、ボタンを留めるなどの細かい作業がしづらくなる

・下肢筋力低下/筋緊張亢進に伴う歩行障害、知覚障害、排尿障害

などの症状・障がいが現れます。

 

 

●硬膜動静脈瘻の治療について

・診断方法

【造影CT】:人体の輪切り画像をコンピューターによって再構成・表示する方法。

造影剤(画像診断をわかりやすくするために用いる薬剤)使用により腫瘍・病変部位などの位置把握がわかりやすくなります。

【MRI】:強力な磁場を発生させた装置の中で人体の内部断面構造を周波数により検出。

様々な角度から画像にし確認を行うことが可能です。

 

・治療方法

【血管内手術による塞栓術】

①動静脈瘻に注入する動脈内部にカテーテルを挿入、塞栓物質を入れていくことで血管内逆流を引き起こしている動脈を塞栓する方法。

②同上の流れで、流出する静脈を塞栓する方法。

以上の2つがあります。

これらの治療法は脳・脊髄への直接的接触がなく、身体への負担が少ないこと、治療直後から効果が期待できます。

ただ、動静脈瘻の位置や流入する血管によっての手術難度が変わりるため手術適応外となる可能性もあります

 

【外科手術による動静脈瘻離断】

…動静脈瘻のある部位に外科的にアプローチ/直接観察し、流入血管を直接離断します。

治療直後の効果がありますが、出血量も多くなる可能性があり、身体負担が大きいです

塞栓術と同じく動静脈瘻の位置や流入する血管によっての手術難度が変わり、手術適応外となる可能性もあります。

 

…基本的に動静脈奇形/動静脈瘻の治療方法は一長一短であるものが多いため、それぞれの治療法で足りない部分を補いながら最適な治療を行っていく方法をとっています

 

 

 

■参考

医療法人社団曙会 流山中央病院 脳神経外科 様「動静脈奇形~略~」より

https://www.nch-neurosurgery.jp/disease/disease-1/disease-1-2/

 

医療法人社団曙会 流山中央病院 脳神経外科 様「硬膜動静脈瘻」より

硬膜動静脈瘻について

 

近畿大学医学部 脳神経外科 様「硬膜動静脈瘻」より

https://www.med.kindai.ac.jp/nouge/medical/diseases/blood_dis04/

 

慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト 様「硬膜動静脈瘻」より

https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000636.html

 

亀田メディカルセンター 亀田総合病院 脊椎脊髄外科 様「脊髄硬膜動静脈瘻(AVF)」より

http://www.kameda.com/pr/spine/post_24.html

 

 

 

■動静脈奇形・動静脈瘻についてのまとめ

若年層における脳卒中症状等の原因ともなる「動静脈奇形」「動静脈瘻」

先天的か後天的か、発症時期や原因もはっきりとわからず、ただ存在しているだけでは無症候状態が続くため、本当に突然症状を発症するまでその存在に気付かない恐ろしい疾患です。

 

特に若年層の方たちにとって、普段から健康的な生活を送っていたとしても、ある日突然これらの疾患が脳卒中症状等を発症し生活に大きなダメージを与えることにもつながりかねません。

大事なのは定期的な検査などを行って、自分の身体状況を把握できる機会をしっかり持っておくことです

普段から運動や食事などに気を遣って、将来的に通常の血管系疾患などの予防も意識しながら生活しましょう。

 

 

■脳梗塞リハビリステーションPROGRESSで提供するリハビリ

 

 

尼崎市塚口にある脳梗塞リハビリステーションPROGRESSは、

運動の専門家である理学療法士・鍼灸師が在籍している自費リハビリ施設です。

 

理学療法士、鍼灸師による完全マンツーマンで行うリハビリが特徴で、

脳梗塞・脳出血に代表される脳卒中の後遺症に対するリハビリテーションを行っております。
また、パーキンソン病などの神経疾患にも対応。

医療保険による治療・介護保険の範囲では改善しきれない方達に選ばれております。

 

 

リハビリ風景

 

□下記リンクから実際にリハビリを行っている様子をご覧いただけます。

リハビリテーションの様子

 

脳卒中の後遺症やパーキンソン病などに対してのリハビリはもちろん、小さなお悩みも抱えず、

まずは「脳梗塞リハビリステーションPROGRESSへご連絡ください。

誠心誠意、しっかりとアドバイスやサポートをさせていただきます。

 

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